薬学部6年制 新卒合格率とは 新卒合格率を大学選びの参考にすべきでない理由

本ページでは、6年制薬学科の国家試験新卒合格率と卒業試験について説明しています。

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★ 薬剤師国家試験 新卒合格率とは?
薬剤師国家試験 新卒合格率とは、当該年度の3月卒業の新卒の国家試験受験者のうち、試験に合格した者の割合です。ストレート合格率と誤解しないよう注意しましょう。

 

薬学部6年制 ストレート合格率とは?

 

 

★ 薬剤師国家試験 新卒合格率の計算

 

例えば、2020年2月末に実施された第105回薬剤師国家試験の各大学の新卒合格率は、下記のように計算されます。

 

薬学部6年制 国家試験新卒合格率・卒業試験による操作

 

 

なお、当該年度の9月頃に卒業した新卒者(秋卒者)は、既卒者として扱われ、新卒合格率の計算には入りません。
2020年2月実施の105回国家試験の例では、2019年9月に卒業した新卒の受験者のデータは、105回国家試験の新卒合格率の計算には入りません。

 

薬剤師国家試験の新卒合格率は、文部科学省・厚生労働省・各大学のウェブサイトで公表されています。

 

 

・ 文部科学省のサイトの6年制学科生の修学状況のページより

 

下記の表は、文部科学省のウェブサイトの「各大学における2020年度の入学試験・6年制学科生の修学状況」のページの一部です。“国家試験合格状況の合格率”が“105回国家試験の新卒合格率”に該当します。ストレート合格率と誤解しないようにしましょう。

 

薬学部6年制 国家試験新卒合格率・卒業試験による操作

 

文部科学省:各大学における入学試験・6年制学科生の修学状況等 へのリンク

 

 

・ 厚生労働省のサイトの薬剤師国家試験のページより

 

下記の表は、厚生労働省のウェブサイトの「105回薬剤師国家試験の結果」のページの大学別合格者数の一部です。新卒の合格率が105回国家試験の新卒合格率に該当します。ストレート合格率と誤解しないようにしましょう。

 

薬学部6年制 国家試験新卒合格率・卒業試験による操作

 

 

厚生労働省 薬剤師国家試験のページ へ

 

 

 

★ 薬剤師国家試験の新卒合格率を大学選びの参考にするべきではない

 

全ての私立と国公立の一部の6年制薬学科では、薬剤師国家試験に合格できそうな人だけ卒業認定して国家試験の受験資格を与えています。こうすれば、新卒合格率は高くなります。

 

大学は新6年生に対して卒業試験を実施し、その結果より、国家試験に合格する可能性が高いと判定した学生は卒業試験を合格とし、国家試験の受験資格を与えます。
一方、国家試験に合格する可能性が低いと判定した学生は卒業試験を不合格とし、卒業留年者として国家試験の受験資格を与えません。

 

このように、薬剤師国家試験の新卒合格率は、大学が数値を高くなるよう操作することが可能な数字なのです。

 

したがって、新卒合格率を6年制薬学科の大学選びの参考にするべきではないと考えられます。

 

薬学部6年制 国家試験新卒合格率・卒業試験による操作

 

 

★ 卒業留年者の扱い

 

大学は、卒業試験で不合格とした学生を卒業留年者とし、翌年度の前期に卒業留年者用の卒業試験を実施し、9月に卒業させます。
卒業留年者用の卒業試験は、新6年生用の卒業試験よりもハードルは低く設定されており、ほとんどの卒業留年者は9月に卒業します。
卒業留年者は国家試験に不合格となるケースが比較的に多いので、大学は卒業留年者を9月に卒業させて既卒扱いとし、新卒合格率の計算に入らないようにしています。

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